臨床における理学療法ガイドライン第2版の活用(脳卒中)
【司会】関 崇志 氏(広南病院)
【講師】
中谷 知生 氏
(宝塚リハビリテーション病院
/日本神経理学療法学会理事)
2021年、脳血管疾患に関連する2つのガイドライン(理学療法ガイドライン第2版/脳卒中治療ガイドライン2021)が同時に改訂を行いました。おそらく多くの方がこれらのガイドラインに目を通したことがあると思います。本講演では理学療法ガイドライン第2版を中心に、私達が診療ガイドラインを活用するための基礎知識についてお話しようと思います。
カナダの医学者ウイリアムオスラーの言葉に「Medicine is a science of uncertainty and an art of probability. (医学は不確実性の科学であり、確率のアートである。)」とあるように、臨床における医療者の意思決定には不確実性がつきものです。なかでもリハビリテーション医療は不確実性が高い傾向にあり、私達はそのなかで臨床の意思決定を行う必要に迫られます。
こうした状況で私達の意思決定を支援してくれるものの一つに診療ガイドラインがある、と言われていますが…実際にガイドラインはどのように私達を支援してくれているでしょうか?実際、皆さんはご自身の診療場面においてガイドラインを活用できていると実感しておられるでしょうか?
私はこれまでそれとなくガイドラインには目を通す機会はありましたが、作成班員としての作業を通し、ガイドラインを活用するために必要な知識が全く不足していた(基本的な知識が無ければそもそも活用することは難しかろう…)ということを痛感しました。
そこで本講演では前半部分において、改めて診療ガイドラインの意義と作成プロセスを中心に解説し、作成班員としての追体験をしていただこうと思います。私自身はガイドラインの専門家というわけではありませんので、私の体験を通して学んだ点を中心に話題を提供し、ガイドラインについての理解が深まる機会になれば良いな、と考えています。
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