<大会テーマ>

Nudge

-よりよく働いていくために-

開 催 趣 意 

  

 第26回宮城県理学療法学術大会は、会員同士がより“よく”働くことができるように、大会テーマを『Nudge~よりよく働いていくために~』といたしました。

 ひらがなの “よく” は、“良く・善く・好く・克く・能く・欲・・・”などの漢字で表せますが、皆さんにとって働くことをイメージする漢字はどのようなものですか。

 一般社団法人宮城県理学療法士会(MPTA)は、理学療法士のよりよい未来づくりのために組織されています。仲間同士が声援や支援を惜しまず協力し合い、一人ひとりが専門性と人間性を高め、自ら考えて行動できるようになり、理学療法士という職業を通して人としての成長を感じることができること。そして、社会との調和を図りながら積極的に社会課題の解決に取り組むことを目指しています。

 近年のAIやIoT・ICT活用によって第4次産業革命は進化し続けています。これまで経営資源であった「人・モノ・お金・情報」に関する消費者行動は、20世紀までの価値観とは異なってきているようにも見受けられます。

 令和3年10月に発足しました岸田内閣は、「新しい資本主義」の実現に向けた様々な施策を掲げました。その一つとして、“人への投資を行い未来に向かって成長しよう”があります。つまり、21世紀の第4次産業革命を受け、社会が変わる中では人も変化する必要があるということです。

 単純にデジタル化の波に乗り遅れないだけではなく、新しい社会の中で理学療法士として多様な選択肢を持って働ける人材となることを目指す必要があります。医療や福祉分野の既存の働き方を確認・点検し、新たな働き方やキャリアデザインの多様性を学び、素早く時流を読み解きながら未来づくりのために進化し続けなければなりません。

 新しいモノやコトを知るたびに新たな発見があり、働くイメージは膨らみます。また、様々な経験を積むことで、先人から謙虚に学ばなければならないことの多さを知ることができ、改めて働き方の形や型を学ぶことができます。   

 現代はネット検索によってヒューリスティック(Heuristic)に知りたいことの答えは導き出されてしまいます。仕事を愛して働いている人の傍(憧れの人)での学びは、答えの道筋までも見えてきますし、自分の中に新たに問いを見つけることができます。

 仕事の幸せはワクワクして夢に向かって頑張れるMPTAの仲間と共に時間と空間を過ごせることだと私は思っています。手にしたい(身に付けたい)幸せ価値は、行動に移さなければ可能か不可能なのかは分かりません。指をくわえて待っていても偶然に幸せ価値は訪れるものではありません。

 自発的に、望ましい働き方の選択をそっと促す仕掛けとして“Nudge”があります。MPTAには若い会員をNudgeする仕組みは既にあります。これからは、中堅やベテランも一緒に “学び直し”と“リスキリング(Reskilling)”が必要になってきます。

 そっと後押し“したり、されたり”できる皆様と学術大会で学び合えるのが楽しみです。

 第26回宮城県理学療法学術大会

大会長  渡邉 好孝

医療法人社団光友会/一般社団法人宮城県理学療法士会