宮城県理学療法士会主催の第28回宮城県理学療法学術大会を、2025年2月2日(日)に開催することになり、その大会長を拝命しました。この大役をお引き受けできましたこと、大変光栄に存じます。
長年にわたり、この重要な役割を担ってこられた渡邉好孝先生から引き継ぐにあたり、その重責と期待を改めて感じております。渡邉先生のこれまでのご尽力に心より敬意を表し、築かれてきた素晴らしい伝統と成果を大切にしながら、これを次世代へと繋げるべく、誠心誠意努めてまいります。
私は2020年の第23回宮城県理学療法学術大会(以下、県学会)から大会運営に携わらせていただきました。それまでの学術大会における皆様の功績に感銘を受けるとともに、その整った運営システムには特に驚きと敬意を抱きました。一方で、その頃は日本理学療法学会連合が設立され、高い専門性を有する各領域の学術大会が各地で頻繁に開催されるようになり、さらにコロナ禍の影響からオンラインで広く学べる環境が整備され始めた時期でした。こうした背景から、地方の学術大会では開催意義を再考し、全国規模の大会にはない独自の工夫が求められるようになりました。
そこで、部員の方々と相談しながら、「みやぎの理学療法士とつながれる大会」「みやぎの外のことを知ることができる大会」「参加しやすく居心地のいい大会」を目指して、新しい方針を打ち立てました。会員の皆様のお声を参考にし、宮城県外で活躍されている方を招聘し、ご講演いただくとともに、さらに宮城県内で活躍されている理学療法士にもできるだけ多くご登壇いただけるように、講師やシンポジストとしての企画を進めてまいりました。また、スマートビズを導入し、服装の自由さを考慮することで、リラックスして参加できる環境を整えました。多くの方のお力添えとご協力により、現在のような県学会の形を築くことができたと実感しております。
さて、本大会テーマは「理学療法を誠実に楽しむ-経験の共有と共話による成長」といたしました。現代はVUCA(不確実で複雑な時代)とされており、理学療法の分野も同様に変革期を迎えています。物事の運動性が高まる時は、同時に不安定性も高まる時期とも捉えることができます。そのような時だからこそ、誠実に理学療法と向き合い、楽しみながら仕事に取り組む姿勢が重要だと感じています。理学療法士にとっての誠実とは何か。この問いは、私自身もまだ明確に答えを持ち合わせていません。図書「誠実な組織(Ron A. Carucci著.弘瀬友稀訳)」のなかで、「自分自身を理解していなければ、言動に偽りが生じる」という記述があります。すなわち、誠実であるためには、アイデンティティを明確にすることが必要だと解釈できます。この意味で、我々が「わかっていることとわかっていないこと」、「できることとできないこと」の現状を理解し、その上で未来を共に考えていくことが、理学療法を誠実に楽しむ第一歩になりうるのではないかと私は考えます。
そこで、今大会では、各領域で誠実に向き合い、真摯に取り組まれている先生方をお迎えし、ご登壇いただきます。大会長企画講演として川崎翼先生(東京国際大学)、教育講演では辻清張先生(こども発達支援センターのびろ)、塩崎智之先生(奈良県立医科大学)、網本和先生(仙台青葉学院大学)、竹内雅史先生(東北大学病院)、矢口春木先生(仙台赤十字病院)にご講演いただきます。これらに加えて、2つの地域連携症例検討会と、20演題程度の一般演題を予定しています。ぜひ多くの皆様にご参加いただき、皆様の経験を会場で共有いただきながら、ざっくばらんに声を出し合い、共話の声が会場に響き渡ることを願っています。
そして何より、本学術大会による皆様の成長の成果が、宮城県民の皆様の健康に貢献できることを心より願っております。
2024年9月吉日
第28回宮城県理学療法学術大会
大会長 鈴木 博人
(東北文化学園大学)
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